2026.08.29
資金調達
資金調達にも関係する!? 会社設立における「株式会社」と「合同会社」の違い
会社を設立する際に選ぶことのできる代表的な形態が、「株式会社」と「合同会社」です。
いざ、法人設立となると、多くの創業者が「株式会社と合同会社のどちらを選ぶべきか?」と迷います。
自分の組織がどちらに適しているのか、明確な根拠を持って判断できる方は少ないのではないでしょうか。
法人設立におけるよくあるお悩み
株式会社が良いだろうと考えていたけれど、周りには合同会社を設立している人も多いと気が付く
設立費用は、合同会社の方が安いと知るが、デメリットや注意点がないのか不安である
中長期的な視点を含めて自分の組織はどちらが適しているのかわからない
本記事では、株式会社と合同会社の違いに焦点を当て、どちらがどのようなケースに適しているのかを解説します。
この記事の目次
1. 所有と経営の関係
株式会社と合同会社の最も大きな違いは、「所有」と「経営」の関係にあります。
しかし、この「所有と経営の分離」といった話は、中小企業の創業時にはあまり関係がありません。なぜなら、ほとんどのケースで出資者=経営者だからです。
将来的に上場まで考えているようなであれば、以下の内容も理解しておくと良いでしょう。
正しい説明はこちら。
株式会社では、出資者(株主)と経営者(取締役)が原則として分離しているのが特徴です。株主は会社のオーナーであり、経営の意思決定は取締役が担当します。
合同会社では、出資者(社員)と会社の経営者は同一であり、出資者(社員)のすべてが業務執行権を持ちます。ただし、定款によって業務執行権を持つ社員を限定することも可能です。
意思決定が迅速に行われる一方で、出資者同士の関係が経営に直接影響するため、合意形成が重要になる点は注意が必要です。
2. 設立手続きと費用
設立にかかる手続きや費用も異なります。
創業される方にとって最も興味があるのはこちらでしょう。
金額での比較をすると、合同会社のほうが安いです。
株式会社の設立手続きと費用
株式会社の設立時に定款の認証が必要であり、公証役場での手続き(認証手数料3万円~)が発生します。
また、登記の際には登録免許税として最低15万円が必要で、設立費用は約18万円~かかります。
合同会社の設立手続きと費用
合同会社の設立は、株式会社と比較して費用が安価で、手続きも簡便です。
定款の認証が不要であり、認証手続きの費用もかかりません。
登録免許税も最低6万円で済み、設立費用は約6万円~となります。
このため、合同会社は設立時のコストを大幅に抑えることができます。
3. 取引や採用にも関わる知名度と信頼性
株式会社の知名度と信頼性
株式会社はその知名度から、取引先や顧客に対して信頼感を与えやすいという特徴があります。
特に大規模な事業や上場を目指す企業にとって、株式会社は資金調達や取引先との関係構築において有利です。
また、採用面でも「株式会社の方がしっかりした会社」と見られやすい傾向があります。
合同会社の知名度と信頼性
一方、合同会社は、2006年の会社法改正により導入された会社形態で、当初は認知度が低かったものの、近年ではその設立数が増加し、認知度も高まっています。
現在では、取引先や顧客の間でもその形態が理解されつつあり、特に起業家やベンチャー企業にとっては新しい選択肢として人気を集めています。
4. 経営の柔軟性・自由度
株式会社は手続きが多いが、長期的には有利
株式会社は定期的に取締役の任期更新や株主総会が必要であり、経営の自由度が合同会社よりも制限されることがあります。
また、利益の配分は出資額に応じて決定されるため、出資者の貢献度に応じた柔軟な配分は難しいです。
ただし、将来的に株式発行や事業承継を考えるなら、最初から株式会社にしておいたほうがスムーズです。
合同会社はシンプルで自由
一方、合同会社は、株主総会不要、取締役の任期なし、役員変更も簡単で手間がかかりません。
また、最大の利点は、出資者同士で自由に利益配分を決定できる点です。
出資割合に関わらず、社員間で利益配分の方法を柔軟に設定できます。
例えば、出資額が同じでも、貢献度に応じて配当を調整することが可能です。
5. 結論:株式会社と合同会社どちらを選ぶべきか?
株式会社は、大規模な資金調達や社会的信頼を重視する企業に向いています。
特に、投資家を集めて事業を拡大したい場合や、上場を目指す企業にとっては最適な選択肢です。
合同会社は、設立費用が低く、経営の柔軟性が求められる小規模な事業や、出資者が積極的に経営に関与するベンチャー企業に適しています。
設立の手間が少なく、迅速に意思決定を行いたい場合には非常に有利です。
<株式会社と合同会社の比較>
株式会社 | 合同会社 | |
|---|---|---|
設立者の名称 | 発起人 | 社員 |
代表者 | 代表取締役 | 代表社員 |
役員の任期 | 2年(公開会社) | 任期なし |
会社の経営者 | 取締役 | 業務執行社員 |
利益分配方法 | 出資比率に応じる | 自由に設定可能 |
設立費用 | 約18万円~ | 約6万円~ |
定款の認証 | 必要 | 不要 |
6. 会社設立の相談先について
会社設立をスムーズに進めるためには、専門家のサポートを活用するのが効果的です。
創業融資を検討している場合は、資金調達の準備も同時に進めると良いでしょう。
会社設立を支援する専門家
行政書士:定款の作成や電子定款の認証手続きをサポート。
司法書士:会社設立の登記手続きを代理申請可能。
税理士:設立後の税務処理や開業時の届出のサポート。
中小企業診断士:事業計画の作成や金融機関向けの創業融資申請サポート。
会社設立と並行して資金調達の準備を進めることで、スムーズな事業スタートが可能になります。
まとめ
株式会社と合同会社のどちらを選択するかは、事業の規模や経営方針、資金調達の方法に大きく関わります。
設立費用や手続きの簡便さを重視するなら合同会社が適しており、信頼性や資金調達を重視するなら株式会社が最適な選択と言えるでしょう。
自分のビジネスモデルに合った会社形態を選び、適切な形で事業をスタートさせることが重要です。
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