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2026/9/25

税理士・会計事務所のMEO対策完全ガイド|Google口コミとWebサイトを集客につなげる方法

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公開日: 2026/09/25

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更新日: 2026/09/25

先日、「船橋 税理士」で検索し、地図に出てくる事務所の口コミ件数を上から順に数えてみました。

1番目は相続専門の事務所で、200件を超えています。2番目は複数拠点を持つ法人で42件。

3番目にようやく、この地域で個人が営む事務所が出てきて20件。その下は10件、2件、3件、1件、7件と続きます。

相続専門や大手を除くと、税理士事務所の口コミはほとんどが0〜3件です。

裏を返せば、20件集めた時点で地域の中ではっきり目立ちます。何百件と競い合う飲食店とは、戦う土俵がまったく違います。

ただし、税理士事務所の口コミは放っておいても1件も増えません。

お願いの仕方にはGoogleのルールがあり、やり方を間違えると逆効果にもなります。

この記事では、税理士・会計事務所の集客を支援している立場から、Googleビジネスプロフィールの設定、口コミの集め方と返信、Webサイトとのつなぎ方まで、私の考えも含めて率直に書きます。

先に結論を言ってしまうと、税理士事務所のMEO対策とは、ほぼ「口コミをどう集めるか」の戦略です。

 

1. 税理士事務所にMEO対策は必要か

新規の顧客獲得を課題とするなら、取り組むべきです。現状維持を目指す事務所以外には、ほぼ必要だと考えています。

 

1-1. 必要ないのは「これ以上は受けられない」事務所だけ

所長がすべてを一人でこなす場合、担当できる顧問先は30件前後が目安だとよく聞きます。

すでにその水準に達していて、今後も一人で続けるつもりなら、相談が増えてもさばけません。

MEOに時間を使う理由は薄いでしょう。

一方、売上目標を上げたい、職員を抱えている、という事務所は事情が違います。顧問先には一定の割合で解約や廃業が出ます。

それを補うためにも、新規の入口は持っておく必要があります。

MEOは「Map Engine Optimization」の略で、Googleマップや検索結果の地図枠に自社の情報をきちんと表示させる取り組みです。

その中心になるのが、以前「Googleマイビジネス」と呼ばれていたGoogleビジネスプロフィールです。

「税理士事務所」とGoogleマップで検索したときにピンと一緒に出てくる、あの情報のことです。

作成も管理も無料でできます。

 

1-2. 「BtoBの税理士に口コミは関係ない」は本当か

MEOというと飲食店やフィットネスのような、個人向けのビジネスを思い浮かべる方が多いと思います。

実際、個人向けの業種では口コミがあって当たり前になりつつあります。

私自身、飲食店を選ぶときは食べログやぐるなびも見ますが、Googleの口コミも必ず確認します。

幅広い層が書いている印象があるからです。点数だけでなく中身も読みます。

料理が美味しくても、接客をはなから諦めているような店は選びません。人を連れていくなら、なおさらです。

では税理士はどうか。経営者がいきなりGoogleマップを開き、まったく知らない事務所を探すケースは多くないと思います。

私もWebデザイナーを探すのにマップは使いません。税理士探しの主な経路は、やはり紹介です。

 

1-3. 紹介を受けた人は、ほぼ必ず事務所名を検索している

紹介を受けた人は、「どんな事務所なんだろう」と事務所名で検索し、まずホームページを見ます。

ホームページに載っているお客様の声は、事務所側が誰に声をかけ、何を載せるかを考えて作ったものです。

悪いことではありませんが、編集された情報であることは読み手も分かっています。

Googleの口コミは違います。事務所の手が入っていない、第三者の評価です。

しかもBtoBの業種では口コミを集めている事業者がほとんどいないので、あるだけで目立ちます。

件数が多く、評価も高ければ、それがそのまま信頼になります。

紹介だから必ず契約が決まるわけではありません。口コミは、紹介を取りこぼさないための「守りの対策」でもあります。

紹介する側にとっても、ホームページと一緒にGoogleのプロフィールを送れば、「こういう先生だよ」と口コミの件数や中身ごと伝えられます。

 

1-4. ポータルサイトより、先にGoogle

エキテンのようなポータルサイトへの掲載も無料でできます。

ただ、掲載している事務所が多く、上位に出るには広告や別の対策が必要です。

そもそも、そのポータルを訪れる人の数で見てもらえる上限が決まってしまいます。

同じ手間をかけるなら、検索するすべての人の目に触れるGoogleを先に整えた方が、より多くの人に見てもらえます。

 

2. どの税理士業務とMEOは相性がよいか

会計・申告といった基本業務、相続、創業支援、事業承継。

事務所によって得意分野はさまざまですが、MEOと特に相性がいいのは、個人のお客様に近い業務です。

代表例が相続です。

 

2-1. 相続は「地図で探される」業務

相続の相談者は、経営者ではない一般の方がほとんどです。

飲食店を探すのとまったく同じ感覚ではないにせよ、自宅や通勤先の近くで相続に詳しい税理士をGoogleマップで探す、という行動は十分に考えられます。

Googleマップを開かなくても、通常のGoogle検索で「船橋 相続 税理士」と調べれば、検索結果の上の方に地図枠が出ます。

ここに表示されるのは基本的に3件程度です。この3枠に入れるかどうかの争いになります。 

2-2. お客様がどう動くかを想像する

大切なのは、自分のお客様がどんな行動を取るかを想像することです。

相続なら、年齢層がやや高めの個人の方が検索してくる。

いくつものサイトを見比べるのは大変なので、地図に出てきた事務所の口コミを見て判断する、ということが起きやすいはずです。

経営者であれば、いきなり検索するよりも、誰かの紹介や評判が先にあり、その後で調べるケースが多いでしょう。

この場合、地図は「新規の入口」ではなく「紹介の後押し」として働きます。

どの業務を中心に事務所を運営していくのか。そして地図を、どんな切り口でお客様を集めるために使うのか。

この二つを意識して取り組むと、やるべきことがぶれません。

 

2-3. BtoBでも、地域で選ばれる仕事なら口コミは見られる

税理士事務所に限らず、BtoBでGoogle口コミを積極的に集めている事業者はほとんどいません。

Web制作、デザイン、システム開発の会社も同じです。

ただ、これは商売の形によります。

全国を相手にするシステム開発会社なら、Google口コミはすぐには差別化につながらないでしょう。

一方、商圏が地域で決まるビジネスは、お客様が取れる選択肢そのものが限られています。

そしてBtoBの発注では「失敗しない選択をしたい」という気持ちが強く働きます。その判断を補うのが口コミです。

税理士事務所は、まさにこちらに当てはまります。

 

3. SEOとMEOはどう使い分けるべきか

MEOは比較的始めやすいので、ぜひやってください。SEOは、小規模な事務所にはあまりおすすめしません。これが私の答えです。

 

3-1. SEOは「網羅+α」の消耗戦になりやすい

SEOの基本的な進め方はこうです。まず「船橋 税理士 相続」のように狙う検索語句を決めます。

その語句で上位に出ている10件ほどのサイトを開き、見出し(H2やH3)に何が書かれているかを分析する。

「相続税理士の探し方」「選び方」「実際の事例」といった論点を洗い出し、それらをすべて網羅したうえで、さらにプラスアルファを加えた記事をいかに作れるか。

そういう戦いです。

難しいのは、都市部ではすでに大手が相当対策していることです。

「税理士」のような単体の語句、いわゆるビッグワードは、検索した人が税理士試験の学校を探しているのか事務所を探しているのかさえ分からず、それでも多くの会社が狙っています。

「錦糸町 税理士」のような地域名との組み合わせも、すでに網羅されていると思った方がいいでしょう。

正攻法で勝負するなら、記事1本では反応は出ません。特定のキーワードについて、最低でも20本以上は作る必要があります。

そのための知見を身につける時間か、外注する費用がかかります。

 

3-2. 見つけてもらう壁と、選んでもらう壁

SEOには二つの壁があります。検索結果の上位10件に入る壁と、読んだ人が「この先生にお願いしたい」と思う壁です。

どちらも高い。

全国展開していて、社内にマーケティングの担当部署を持っているような規模の事務所でなければ、費用と時間に見合わないことが多いと考えています。

 

3-3. MEOは設定項目が少ないからこそ、差は口コミでつく

MEOで事務所側が設定できる項目は、事務所名、カテゴリ、サービス内容など、ある程度限られています。

その分、差がつくのは口コミです。そして、口コミに本気で取り組んでいる税理士事務所はまだ多くありません。

しかも、お金はかかりません。お客様に声をかけて、投稿をお願いするだけです。

投稿してもらうためのポイントは、7章で詳しく書きます。

 

4. Googleマップの順位は何で決まるか

Googleは、地域検索の順位を決める主な要素として「関連性」「距離」「知名度」の三つを挙げています。

細かな仕組みは公開されていないので、ここから先は私の推測を含みます。

 

4-1. 距離は、事務所側では変えられない

たとえば「近くの税理士」と検索すると、検索結果に地図が表示され、そのスマートフォンやパソコンがある場所から近い事務所が基本的に表示されます。

駅前で調べるか、隣の市で調べるかで結果は変わります。ここは事務所側ではどうにもなりません。

 

4-2. 関連性を左右しているのは、おそらく口コミ

関連性とは、検索された内容とプロフィールがどれだけ合っているかです。

「船橋 税理士 相続」や「事業承継に強い」と検索すれば、それに関係する事務所が出てきます。

では、Googleは何を見て関連性を判断しているのか。私は、口コミの影響が一番大きいのではないかと見ています。

「船橋 税理士 相続」のように検索すると、なぜその事務所が表示されているのかを示すかのように、口コミの一部がハイライトされていることがあります。

口コミの中身が判断材料として参照されている、と考えるのが自然です。

Googleも、口コミの件数や評価が知名度に関わると説明しています。

人も同じ見方をします。まず件数と点数を見て興味を持ち、そのうえで中身を読む。飲食店を選ぶときと同じです。

Googleにとっても、探している人にとっても、口コミの「中身」が効いているわけです。

 

5. Googleビジネスプロフィールは何から設定するか

 

5-1. まずアカウントを作る。既にあるなら管理権限を取り戻す

アカウントを作成していなければ、まず作成してください。手順自体は難しくありません。

意外と多いのが、プロフィールはすでに存在するのに、誰が管理しているか分からないケースです。

以前の職員や制作会社が作ったまま、という事務所もあります。

その場合も、プロフィール上に「オーナーであることを証明する」ためのボタンが用意されているので、そこから手続きを進めてください。

 

5-2. 設定する項目は、実はこれだけ

「プロフィールを編集」から設定する主な項目は次のとおりです。

  • ビジネス名

  • ビジネスカテゴリ

  • 説明

  • 開業日

  • 電話番号、Webサイト

  • 住所またはサービス提供地域

  • 営業時間

見てのとおり、それほど多くありません。

ビジネス名は、正式名称をそのまま入れます。

数年前は、事務所名に「【相続に強い】」のような文言を付け足すよう勧める業者もいましたが、これはGoogleのガイドライン違反です。

プロフィールが停止されるリスクもあるので、やめてください。

実際に「相続専門◯◯事務所」と名乗って活動しているなら話は別ですが、事務所としては特化分野を掲げていないのに、Googleのプロフィールだけ「相続に強い」とするのは認められていません。

ポリシーは変わることもあるので、定期的に確認することをおすすめします。

カテゴリは適切に選びます。「税理士事務所」「会計事務所」といった選択肢があるので、実態に合うものを選んでください。

説明欄には、特に力を入れている業務や、サポートしている地域があれば書いておきます。

逆に、プロフィールには飲食店や小売店向けの項目も並んでいます。

ディナーの提供、ドライブスルー、客層、子ども向け設備などです。税理士事務所にはほぼ関係ないので、気にしなくて大丈夫です。

 

5-3. MEO業者は、基本的にいらない

「MEO対策」をうたう業者はたくさんありますが、税理士事務所なら基本的にいらないと考えています。

特に注意したいのは、「上位表示を保証します」という類の営業です。

検索結果は調べる場所によって変わりますし、口コミで決まる部分が大きいなら、事務所側や業者がコントロールできる範囲はもともと限られているはずです。

保証をうたう話は、嘘だと思っておいた方がいいでしょう。

 

6. 写真と投稿は何のために使うか

 

6-1. 写真は「最低限の安心」のためにある

写真は、来所する方に安心してもらうためのものです。「どの建物だろう」「どんな場所で打ち合わせをするんだろう」。

この疑問に答えられれば十分です。建物の外観、入口、打ち合わせスペース。まずはこれだけ用意してください。

写真の枚数が多いからといって、それが信頼につながるとは思いません。

もし先生が出版した本がエントランスに並んでいるなら、それは入れてもいいでしょう。

専門性が自然に伝わります。

お客様との打ち合わせ風景を、無理に載せる必要はありません。

写真を誰が投稿したかはプロフィール上で分かりますし、見る人によっては「自分の相談の様子も勝手に公開されるのでは」と不安になります。

相続のように、相談していること自体を知られたくない内容もあります。

そうした写真は、説明を添えられるWebサイトの方に載せれば十分です。

 

6-2. 投稿機能は、優先度がかなり低い

プロフィールには「投稿」という機能もあります。

イベントやセール、商品を紹介するためのもので、たとえば連休限定の商品を案内するような、物販や飲食店向けの機能です。

ある業者から、「投稿機能で事務所の専門性を示せる」という話を聞いたことがあります。

実際に、事業承継のノウハウを投稿している企業もありました。

ただ、個人向けの業種ですら、この投稿機能を使いこなしている店はそれほど多くありません。

見る側も、正直そこまで見ていないと思います。

お客様に知ってもらう効果にしても、専門性を示して「事業承継」「相続」での検索順位を押し上げる効果にしても、現時点では手応えを感じられないというのが私の見立てです。

毎回ネタを考えて書くのは、正直面倒です。効果も期待しにくい。

優先度はかなり低いので、よほど時間が余っているならやればいい、くらいに考えてください。

 

7. 税理士事務所の口コミはどう増やすか

ここが一番難しいところです。MEOをやった方がいいのは分かった、お金もかからない。

では、どうやって口コミを集めるのか。

 

7-1. まず目標件数を決める

最初に、自分の事務所がある地域で「地域名+税理士」と検索してみてください。専門分野を加えるかどうかはお任せします。

冒頭で紹介した船橋の例では、15〜20件ほどの事務所が表示され、相続専門と大手を除くと、ほとんどが0〜2件程度にとどまっていました。

そこに20件あれば、周りの10倍です。明らかに多いという印象を与えられます。

地域によって違いはありますが、まずは20件を目標にするのが一つの目安です。

 

7-2. 放っておいても、誰も書いてくれない

飲食店なら、口コミが増えるにつれて、お願いしなくても書いてくれる人が出てきます。

税理士事務所ではまず起きません。これまでもそうだったように、お願いしなければ集まりません。

 

7-3. やってはいけないこと

お願いするうえで、Googleのルールは押さえておく必要があります。

一つは、特典と引き換えにすることです。

「口コミを書いてくれたら割引します」と伝えたり、飲食店でよく見る卓上POPのように案内したりするのは、はっきり禁止されています。

もう一つは、満足している人だけを選んでGoogleに誘導することです。

以前、独自のアンケートに答えてもらい、満足度の高い人だけをGoogleの口コミ投稿画面に案内するツールを、そこそこ大きな会社が出していました。

直接確認したわけではありませんが、規約を読む限りアウト寄りだと思います。

Googleは、好意的な口コミだけを選んで依頼することを認めていません。

当然ですが、事務所が代わりに書く、星の数や文面を指定する、といったこともできません。

となると、残るのは正攻法だけです。

 

7-4. お願いするタイミングは、満足度が高まった瞬間

お客様の満足度や期待感が高まっているタイミングを狙います。税理士事務所なら、たとえばこんな場面です。

  • 顧問契約を締結したとき

  • 顧問契約後、最初の融資が実行されたとき

  • 最初の申告が終わったとき

  • 税務調査が入り、その対応が完了したとき

税理士事務所のお客様とは継続的な取引になります。最初は、すでに関係ができていて頼みやすい顧問先から始めるのが現実的です。

慣れてきたら、こうした節目ごとに、どのお客様にも同じように案内する流れを作ってください。

「頼みやすい人にだけ頼む」状態のまま続けると、前述のルールに触れかねません。

 

7-5. 最初の1、2件は、インタビューとセットで

とはいえ、口コミが0件の事務所に書いてもらうのは、なかなかハードルが高いものです。

普段からGoogleの口コミを書いている人は、人口の何パーセントいるのだろうというくらい少数です。

私も普段は書きません。一人目として書くのは、やはり抵抗があります。

そこで私がおすすめしているのが、Webサイト用の「お客様の声」のインタビューと組み合わせる方法です。

まず、「ぜひ事務所のサイトでご紹介させてください」とお願いして、30分ほどお話を伺います。

相談前にどんなことで困っていたか、何が決め手になったか、実際に支援を受けて何が変わったか。

お客様自身の言葉で話していただきます。

そのうえで、こう伝えます。

最近、Googleの口コミにも力を入れたいと思っていまして、ぜひご協力いただけないでしょうか。
良い評価をお願いすることはできませんので、率直なご感想をいただければ十分です。
もし改善してほしい点があれば、まったく遠慮なく書いてください。
これからご相談を考えている方に事実として見ていただきたいですし、私たちも反省点があれば直して次に進みたいと思っています。

初めて投稿する方は操作で手間取ることもあるので、その場で一緒に画面を確認しながらフォローするといいでしょう。

口コミ集めは、最初の1、2件が一番重たい。

自分自身の心理的なハードルも、オペレーションの不慣れも、お客様の抵抗感も、すべてこの時期に集中します。

ここを抜けて、いかに積み上げていけるかが勝負です。

 

8. 口コミは件数以外に何が見られているか

 

8-1. うまくいっている事務所の口コミを読んでみる

相続のような個人向けの業務以外で口コミが20件を超えている事務所は、事務所内に何らかのオペレーションか、口コミ獲得のノウハウを持っていると考えられます。

ぜひ参考にしてください。

そうした事務所の口コミを読むと、書かれている内容に共通点があります。

  • どんなタイミングで、この先生に相談したのか

  • どんな問題を抱えていたのか

  • どんなサポートを受け、どう解決したのか

  • 特に印象に残っている支援は何か

これは、新しい見込み客が一番知りたい情報そのものです。税理士を探している人は、何かしら解決してほしい不安を抱えています。

今の税理士から切り替えを考えている人なら、同じように切り替えた人の声を見れば、「今の事務所とは違う先生にお願いできるかもしれない」と期待を持てます。

見込み客が件数以外に見ているのは、相談した後の自分の姿を想像できるか、自分と重なるか、という点です。

 

8-2. 「型」はインタビューが作ってくれる

こういう口コミが集まる事務所にするために、前章のインタビューが効いてきます。

30分話していただいた内容は、まさに上の四つの型に沿っているからです。

ここで線を引いておきたいのは、口コミの文面を事務所が用意するのではない、ということです。

インタビューの後で「先ほどお話しいただいた、相談前の状況と、相談後に変わったことをそのまま書いていただけると、同じように悩んでいる方の参考になります」と伝える。

書くときの観点をお伝えするのと、文章や評価を指定するのは別物です。

前者は、お客様が自分の体験を言葉にする手助けであって、中身はあくまでお客様のものです。

 

8-3. どの業務の声が並んでいるか

もう一つ見られているのが、口コミに出てくる業務の偏りです。

相続の話ばかり並んでいれば「相続以外はやっていないのかな」と見えますし、事業承継の話だけなら、他の業務は伝わりません。

何かに特化した事務所なら、その分野の口コミだけが並ぶのはむしろ強みです。

一方、幅広く対応している事務所なのに、たとえば創業融資の口コミが一件もなければ、口コミを見ただけでは支援しているかどうか分かりません。

その場合は、さまざまな業務のお客様に声をかけていく方がいいでしょう。

特定の分野からだけ相談を受けたいなら、あえて偏らせる判断もあります。ここは事務所の方針次第です。

 

9. 一人事務所と拡大する事務所で見せ方はどう変わるか

要するに、「何を強みとして印象づけたいか」という話です。

 

9-1. 差別化の三つの軸

差別化の考え方として、「密着軸」「商品軸」「手軽軸」の三つがよく挙げられます。

独立したばかりの一人事務所だと、他より早い、安い、便利という手軽軸で、数をこなすやり方の方もいます。

個別の事情に寄り添う密着軸を掲げる方もいます。

どれが正しいという話ではありません。ただ、口コミに書かれた内容は、そのまま事務所の印象になります。

 

9-2. 安さの口コミばかりが並ぶと、安い事務所になる

本当は単価を相場以上に設定したいのに、安く受けている。

独立直後ならやむを得ない面もありますが、そういう口コミが並ぶと「安いから選ばれている事務所」に見えます。

安く大量にさばくモデルで振り切るなら、それで構いません。

そうでないなら、インタビューの段階で価格以外に何が良かったのかをしっかり聞き出しておくことです。

お客様が安さ以外の価値を自分の言葉で話せる状態になってから、口コミをお願いする。

そして何より、価格以外で評価される仕事を実際に提供していることが前提です。

一人事務所によくあるのが、「夜遅い時間なのに、こんなに親身に相談に乗ってくれた」という口コミです。

今後も一人でやると決めている、あるいは人数が増えても柔軟な個別対応を続けていく、というのであれば、それは立派な武器です。

続けられないなら、その評判はいずれ重荷になります。

 

9-3. 複数名の事務所は「担当者の名前」が効く

職員が複数いる事務所では、お客様は担当者による当たり外れを気にします。

口コミの中に「担当の◯◯さんにサポートしてもらって」という言葉があり、しかもその◯◯さんが何人も登場すると、所長だけでなく職員の皆さんも専門的な知見を持っている事務所なんだ、という印象になります。

インタビューで担当者の話が出てきたら、「担当者の名前も添えていただけると、本人の励みになります」と一言伝えるくらいなら、不自然ではないでしょう。

 

9-4. 少し先を見据えて、口コミを設計する

どんな強みで選ばれたいのか。そこに継続性がなければ、せっかく集めた口コミに一貫性がなくなります。

もちろん戦略を途中で変えることはあるでしょうが、少し先を見据えておく必要があります。

口コミの内容を「操作する」と言うと印象は悪いですし、ポリシーにも引っかかります。

そうではなく、選ばれたい理由で評価される仕事を先に作り、それが自然とお客様の言葉になる状況を作る。

ここが腕の見せどころだと思っています。

 

10. Google口コミにはどう返信すべきか

返信するなら、全件に返信してください。お礼は必須で、そこにプラスアルファで何を書くかがポイントです。

 

10-1. 返信で「再現性」を見せる

返信欄は、正直それほど読まれていないかもしれません。

ただ、これもプロフィールの専門性として見られるなら、見込み客が知りたいのは再現性です。

お客様の口コミには「こんな問題を解決できた」と書かれています。

それを補足する形で、事務所が何を大切にして対応したのかを伝えます。

たとえば、お客様が「融資の相談で何から手をつければいいか分からなかったが、順番を整理してもらえた」と書いてくれたとします。

ご投稿いただきありがとうございます。
事業計画を一緒に整理する際は、まず必要な資金と、今後の売上の見通しをはっきりさせることを大切にしています。
今回もそこから一緒に進められたことが、スムーズな融資につながったと感じております。

これを読んだ別の経営者にも、相談したら何が起きるのかが伝わります。

公開して差し支えない範囲で、再現性があることを示す。それが一番です。

 

10-2. お客様が公開している以上の情報は、絶対に出さない

注意したいのは個人情報です。

アカウント名が「吉田」としか書かれていないのに、「◯◯株式会社の吉田様」と返信するのはおすすめできません。お客様に返信文までチェックしてもらっている、というなら良いですが、なかなかそこまで対応するのは難しいかもしれません。

お客様が自分で公開している情報よりも、特定されやすくなることは書かない。

相続の口コミであれば、家族関係や財産の話をこちらから付け足さないことです。

 

10-3. 低評価は三つに分けて対応する

低評価は、どんなに丁寧に仕事をしていても一定の割合で必ず付きます。私は三つに分けて考えています。

一つ目は、根拠のある低評価です。こちらの手続きにミスがあり、お客様が不利益を被った、というようなケースです。

この場合は、コメントへのお礼と反省を述べるしかありません。それ以外に何を書いてもマイナスになります。

かといって、放置するのもよくありません。

二つ目は、心当たりがない、あるいは誰のことか特定できない低評価です。

コメントいただきありがとうございます。
詳細な内容を確認できていないため、お手数ですが、こちらの連絡先までご連絡いただけますでしょうか。
しっかりとフォローさせていただきます。

できるのはこの程度です。

ここで煽ったり、「事実無根です」と書いたりすると、口コミに事実らしいことが書かれていた場合、他の読み手は「隠そうとしているのでは」と受け取ります。

三つ目は、明らかに根拠がない、またはサービスとまったく関係のない誹謗中傷です。

これについては、「当事務所とは関係のない内容のため、Googleに違反として報告いたしました」とはっきり線を引く事務所もあります。

低評価がついたからといって、すべてに頭を下げる必要はありません。

根拠のあるものには責任を持って対応し、根拠のないものには応じない。

そうしないと、ネガティブなことを書けば何とかしてもらえる、という印象を与えてしまいます。

ただし、他のお客様が見て怖いと感じない程度にとどめてください。時々、文章が怖い事務所があります。この対応でマイナスな印象を与える必要はありません。

二つ目と三つ目の境目にあるものをどちらで扱うかは、先生のスタンスに合わせて決めればいいと思います。

大切なのは、一貫したルールがあることです。

 

11. 口コミとWebサイトをどうつなぐか

MEOをテーマに話してきましたが、本当に大切なのは、お客様の声をどうやって集めるかです。

そう考えると、Googleの口コミとWebサイトのお客様の声をどう使い分けるか、という話になります。

結論は、どちらも集めた方がいい、です。

 

11-1. Webサイトの声は「濃さ」、Google口コミは「信用」

Webサイトのお客様の声は、作り手側がある程度コントロールできるので、情報を濃くしやすいのが強みです。

先生と担当者とお客様で一緒に写真を撮って満足している様子を伝える、打ち合わせの様子を載せる、お客様が許してくださるなら裏話まで詳しく書く。

解決した問題を細かく説明するページを作り、公開前にお客様に確認してもらう。

こうしたリッチな情報は、Webサイトの役割です。

同じ密度の情報を、Googleの口コミに期待するのは無理があります。Google口コミに求めるのは信用です。

Webサイトの声は、コントロールできる分、どうしても「作られている感」が出ます。

特に掲載件数が少ないと、「サイトを作ったときに用意したんだろうな」と伝わってしまい、信頼性に疑問を持たれます。

Googleの口コミは、お客様本人のアカウントからしか投稿できません。その点で、信用を担保してくれます。

 

11-2. 入口はGoogle、詳しくはサイトで

見込み客の動きは、おそらくこうです。

入口でGoogleの口コミの件数と中身を見て、「詳しそうだな」「信頼できそうだな」と感じる。

そのうえでWebサイトのお客様の声を読み、自分の状況と照らし合わせて、相談後の姿をイメージする。

事業承継のように、口コミの短い文章だけでは説明しきれない話ほど、この二段階が効きます。

逆に、口コミには相続の話が多いのに、サイトには法人顧問の説明しかない、という状態だと、関心を持った人が次に何を見ればいいか迷ってしまいます。

口コミで伝わっている強みと、サイトで説明しているサービスがかみ合っているか、一度確認してみてください。

 

12. MEOの成果をどう判断し、何を続けるか

 

12-1. 成果は四つの層で見る

成果の見方は、範囲の狭い順に四つあります。

  • Googleビジネスプロフィールから直接発生した電話、経路検索、閲覧の件数

  • プロフィールからWebサイトへ移動した件数

  • 間接的な効果として、Webサイトへのアクセスや問い合わせ件数がどう変わったか

  • 初回面談で来られた方に聞いた、事前に見た情報

最後の聞き取りが意外と大事です。

「事前にどんな情報をご覧になりましたか」と聞けば、「サイトのこの事例を見ていいなと思った」「口コミにこういう話が多かったので気になって」といった答えが返ってくるはずです。

ただ、これはうまく聞かないと出てきません。「紹介で来ました」とだけ答える方も多いと思います。

「ご紹介いただいたうえで、事前にどんなところをチェックされましたか」と、普通の会話の流れで確認すれば十分です。

 

12-2. 計測にこだわりすぎない

施策の成果が、測り方に左右されることはよく理解しています。根拠を持って進めたいなら、細かく計測すればいい。

ただ、計測するためにやっているわけではありません。

新規の相談者がGoogleの口コミを見ていることはまず間違いないので、その証明はいったん置いて、信じて続けるというのも一つの判断です。

 

12-3. 見られているのは件数より「更新性」

何件取れば終わり、という正解は基本的にありません。それよりも見られているのは更新性です。

よくあるのが、Webサイトを制作・リニューアルしたタイミングにだけお客様の声が載っていて、その後は何も増えていないケースです。

お客様がいるのは分かっても、今どんなお客様がいるのかが見えてきません。

Googleの口コミにも投稿日が表示されます。

2〜3年前の口コミが2件だけある事務所と、月に1件でも更新され続けている事務所。

自分がお客様だったら、どちらに安心して相談できるか。そう考えれば、答えは明らかです。

 

まとめ:MEO対策ではなく、口コミを獲得する戦略を考える

ここまで書いてきたことをまとめると、税理士事務所に必要なのはMEO対策というより、口コミを獲得する戦略です。

口コミを集めるのは、思っている以上にハードルが高い。

だからこそ、集め始める前に事務所の経営方針をしっかり考え、どんな口コミを集めていきたいかを決めておく。

そのうえでプロフィールを最低限整え、どんどんお願いしていく。

Googleの口コミをいきなり頼むのが難しければ、「今、お客様の声を集めています」とWebサイト用のインタビューを依頼するなど工夫しましょう。

余談ですが、お願いする側ばかりでなく、自分でも口コミを書いてみることをおすすめします。

書いてくれた人にお返しをするような交換取引ではなく、自分が実際に使っているサービスについて書いてみる。

書く側の手間やためらいが分かると、お願いの仕方も変わってくるはずです。

私が口コミにこだわるのには理由があります。

長くマーケティングの支援をしてきた中で、神田昌典さんの『口コミ伝染病』に書かれているように、口コミが集まるところにお客様が集まっていくのを何度も見てきました。

個人向けのビジネスはもちろん、BtoBでも同じだと考えています。

以前、別の業種で新しい業態の店舗を支援したときも、お客様に手書きで書いてもらった声を掲示したことで、他のお客様が安心して購入してくれるようになりました。

嘘っぽいと感じる人もいるかもしれませんが、他の人も選んでいるから自分も選ぶ、という状況を作れるのが口コミの力です。

口コミを積み上げていけば、新規の顧客獲得につながります。

そして、自分たちが本当に来てほしい相談に近いお客様を呼び込む工夫にもなります。

もう一つ、副次的な効果があります。どんなお客様が喜んでくれているのかは、事務所の中では意外と見えにくいものです。

お客様と直接やりとりする職員もいれば、そうでない職員もいます。

満足しているお客様がたくさんいる事務所で働いていると分かれば、担当者なら素直にうれしいでしょうし、担当でなくても、これだけ評価されている事務所なんだと思えることは、長く働き続ける理由の一つになるはずです。

少し理想論かもしれませんが、これからの事務所は、お客様から選ばれ、従業員からも選ばれることが大切になっていくと考えています。

口コミは、その両方に効く取り組みです。


セイジツコンサルティングでは、税理士・会計事務所の集客とDXを支援しています。

Googleビジネスプロフィールの整え方、口コミ依頼の運用づくり、お客様の声のインタビューとWebサイトへの掲載まで、事務所の方針を伺ったうえで一緒に進めることができます。

何から手をつければいいか迷ったら、お気軽にご相談ください。


 

参考:Google公式資料

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